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Kenichi Kono


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路上のCD販売

先日新宿を歩いてた時の事。
 
確か夕方前の時間でしたね。
東南口のGAPの辺り。

前から白人の人が歩いて来て話かけてきたのね。
新宿の街を歩いてると外国人に話しかけられる率は高くて。なぜか僕はその中でも話しかけられる確立が高い方だと思う(笑)。だいたい道を聞かれる事が多いけど。

それでいつもの様に話しかけられいつもの様に対応しようとしたらどうも様子が違う。

英語で話しかけてきて。
 
君は音楽やってる人なの?僕はミュージシャンで…

こんな感じだったと思う。で、デモCDとフライヤーを渡されたのです。
で、僕は一応英語が話せますので、英語で対応すると。

 

わー英語話せるんだ~向こうに住んでたの~。

みたいな会話が始まり。
 
今時、自分のデモ音楽を配って、ライブに来て貰う為にこうして昼間からプロモーション活動してるのって凄いし偉いなって一気にその彼に興味を持ち始めまして。

まー僕の音楽経緯とかON LINE MAGAZINEをやってるって事も話して、何かあったら絶対協力するし、バンドの事もしっかりサイトで宣伝させて貰うよって話をしたりしてて。

彼も、僕が尊敬します某先輩バンドのボーカルと仲が良いとか、そんな感じで話をしてまして。そのボーカルの方は何回か僕が一方的に挨拶はした事はありますが、僕を誰と認識してるかは分からないとは思いますが。共通の友達はかなりの数いるし、世の中狭いね~そんな話をして、去ろうとしたら…
 
いくらかお金が欲しいと。

このCDのプレス代とフライヤー代に還元したいからと。もう既に7000枚位売れてるし。枚数を強調。
 
うん?
 

このパターンは初めてだなと。
 

路上でデモテープを売られた経験はアメリカではあったけど、日本では全くなくて。悪い事じゃないし、嫌なら断ればいいんだけど。
 
ただね。なんか凄くしっくり来なかったのが。

まずはじめに。
 
こっちの思惑とあっちの思惑が最初から完全に違うから。今まで話してた事に実は温度差がかなりあったって事。
 

向こうは、CDを売りたい。

こっちは、ただで配ってて関心。

それで、まずなんか意表を突かれたのと。
 

そして最大限に気分が悪かったのが
 
そのボーカリストの名前を出した事。
A氏としましょうか。
 

本当に仲が良いのかどうかは知らないし。どちらにしても、自分を大きく見せる為にそのA氏の名前を使ったわけ。そのA氏が知らなかったらただの詐欺でちょっと問題だし、知ってたらきっとそんな事させないと思う。そういうタイプのアーティストじゃないから。凄く音楽に情熱的で現場主義者(と思ってる)だから、人の名前を使って路上でデモCDを売る行為を好まないと思う。

そしてもうひとつ。
 
たぶんこの人日本語が話せると思う。確かじゃないけど。で、英語で話しかける事で威圧感を与えてるんじゃないかとか、日本人がNOと言い難い雰囲気を作ろうとしてるんじゃないかとか色々考え始めてたら、なんか凄く虚しい気分になってきて。
 
結局買わないと文句とか意見とか言えないかなって思って。
 
300円出して。財布に入ってた銀色した小銭全部だったんだけど。

そうしたらね。
 

もう一声って。
 
 
お?
 

そうきたか。この時点でブログに書こうと決意。なんか分からないけど物凄く胸糞が悪い。

もちろんそのもう一声は低調にお断りしてその場を去りました。
 
 
もしかしたら物凄く音楽に熱心な人かもしれないし。
もしかしたら本当にお金に困ってて食べる物も住む所もない人かもしれないし。
だったらそう言って欲しい。食べる物が無いからCDを買って欲しいって言ったら、気持ち良く買うかも。
 

彼の事を責める気も特にないんだけど。
 
なんか本当に胸糞が悪いのと同時に。
後味が悪いというか。
 
すべてのやり取りが一瞬だったし。
考える暇もなく、感覚だけでやり取りしたから。
 

でもなんか思ったのが。
 
結果的に買ってしまう人が多いんだろうなと。
そしてその”もう一声”で

更に払ってしまう人が多いんだろうなと。

その日本人独特のNOと言えない部分はあまり好きじゃないんだけど、それを利用した様な形となり、更にそこに音楽が絡んできた上に、更に言語も絡んできて、人の名前まで出て来てるわけだから。
 
やっぱりなんか胸糞は悪いかも。

だったらあの300円。
自分的には全くもって興味ないけど、近くで歌ってたアイドルみたいな人にあげれば良かった。少なくともその場で音を伝えようとしてたからね。
 

というお話でした。


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