ライブの中
あの日の前の夜は眠れなかった
たくさんの事がめまぐるしく頭を巡り
良い事も悪い事も同時に駆け巡っていた
ライブ当日、リハに入り サウンドチェック 音が篭って聞こえた
PAに指示は出したものの。 バイブスが篭っている事に気づいたのはその1時間後だった。
ライブ前まで時間があったのでダッチ君と焼き鳥屋に行き、そこでは冷凍食品に毒を盛ったとかなんとかくだらない小さな事件を取り上げたニュースが流れていた
ビールの味が変わった気がした
軽く腹ごしらえして 会場に戻り
ライブが始まった 人々の目は好奇心と何を伝えているのかを読み取る表情でいっぱいだった
自分は歌いながらその場所にいながらそこにはいなかった
まるで幽体離脱したような 上から全体を見ていたような不思議な感覚だった
全て自分の手の中から時が流れそれを支配しているような感覚に襲われたのだ
伝えたい事に魂は吹き込まれ それは確実に波動となり届いていた
最後の曲で歌い終わり 目を閉じて両手を広げて下からすくい上げるように光とエネルギーを感じた まるで永遠にこの瞬間を心に刻むかのように その光は温かく 私はその瞬間包まれた
そこには私と光しかいなかった
誰がどう言おうと あの夜の光は本物だった
私はこの瞬間の為に生きている
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