THE ROCK
時代を感じさせないと言うか、逆にその時代を反映していたりと様々な議論を喚起させたり。
早い話がどこまで熱くなれるかなんです!!
酒を飲みながら熱く議論する、ああでもないこうでもないと胸ぐらを掴み合いながら。
ここで紹介させていただく、THE ROCK (96,)は個人的にかなり熱くなれた映画です。
911の同時多発テロ以降のアメリカアクション映画には以前の様な楽観愛国主義的な要素、(いわゆるアメリカ万歳)が殆ど見当たらなくなりました。
でもそれ以前のアメリカアクション映画はバリバリだった訳で。
そんな風潮の中にあってこの作品、当時としては珍しく国家に対する不信感、嫌悪感がテーマとしてあります。 え、これメジャー作品だよね?
制作はあのジェリーブラッカイマー。
主演はニコラスケイジ、ショーンコネリー、エドハリスの主役級の3人。
ストーリーはサンフランシスコのアルカトラズ刑務所にテロリスト達がVXガスロケットを仕掛けて立て籠るというごくごくシンプルな内容ですが、そのテロリスト達ってのが海兵隊の英雄、ハメル准将とその部下達。
既にこの時点でそこらの悪党なんか足元にも及ばないスケールのデカイ話になってます。
このハメル准将が国家に対し謀反を起こす理由は映画開始後、三分で理解出来ますが、やはり英雄だけの事はありますね、部下思いの人格者、グレイトです。 それに対しFBIの化学兵器専門科学者グッドスピード(ニコラスケイジ)がアルカトラズに海兵隊と共に乗り込む展開ですが実際脱獄不可能と言われたアルカトラズにどうやって乗り込むの? そこでキーマン登場、過去にアルカトラズを脱獄しFBIに30年間幽閉された謎の男メイスン(ショーンコネリー)が同行する事に。
この展開が実にたまらん!! しかし、メイスンの経歴がある意味鳥肌もんです!
元英国諜報員て! ショーンコネリーで英国諜報員と言えば007 すっかり年を取りましたが晩年ジェームスボンドの映画とも解釈できる、心憎いオマージュですな~!
さあ、ここまで役者が揃えば後は流れる様に物語は進んで行くものです!
ビール片手に感情移入するだけ!!
でもふと思うんですよ 軍人として生涯を国に捧げ祖国を裏切らざるをえなかった思い
優秀な軍を無視し、敵に回して辛い決断を下さなければならない葛藤
この映画はエンターテイメントだけど同時にアメリカの悲劇的状況をも描いています。
銃弾や火薬を大量に導入してもここまで重厚な映画は作れない、核となるのはやはり人間ドラマが鉄骨の様にしっかりしているからでしょう。